
【Mini-Comets coming off Comet SW-3/出典:ESO Press Photoより】
シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星(73P/Schwassmann-Wachmann 3 (2006))が
5月12日、地球に最接近します(接近距離は約1200万キロメートル)。
シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星は、5月に入ってからヘラクレス座からこと座辺りに移動していて、地球に
最接近する12日にはこぎつね座の辺りに位置しています。予測されている明るさは、3.5等級(いちばん大きな分裂核)とされているので、
星のよく観える地域ならば肉眼でほんやりと観ることが可能でしょう。街中では光害の影響を受けるため、肉眼での観測は厳しいかもしれませんが、双眼鏡や天体望遠鏡などを利用すれば問題ありません。また、12日の前後一週間ほど、若干暗くはなりますが観測は十分できますので、晴天の日を選んでください。
日本全土では、真夜中過ぎに東の空に出現します。夏の大三角形(こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ)の中を探すのがいいでしょう。
シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星のサイト内にある星図を元に日付を位置を確認してみてください。
彗星は、流星(流れ星)のように一瞬で消えることはありません。ぼんやりとした光に包まれて、うっすらと伸びた尾が夜空に静止して観えます。それから写真に撮影することも可能です。双眼鏡や望遠鏡に接続して撮影することは、特殊なアダプターが必要ですが、三脚にカメラを固定して撮影するのは比較的簡単にできますので、チャレンジしてみてくださいっ≦⌒◇⌒≧З
この
シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星は、5.4年の周期で太陽を一回りする短周期彗星であり、小さい彗星のためその姿の確認が1979年に再発見されるまで半世紀も行方不明となっていた彗星なのです。また、1995年に太陽に接近した時には、彗星の核が3つに分裂してしまいました。そして今回の接近でも、小さく分裂した核を含めると30個以上に分裂していることが観測されています。今後、この分裂した彗星の核が、蒸発してなくなってしまうか、研究者らが注目していることでしょう。

【写真は1997年3月、明け方の空に現れた「ヘール・ボップ彗星(C/1995 O1)」 撮影地:名古屋市内】
☆「
シュワスマン・ワハマン第3彗星ガイド」(横浜こども科学館/日本語)
☆「
「謎の彗星見えるかな?」キャンペーン」(国立天文台/日本語)
☆「
分裂した彗星を見よう!~73P/シュワスマン・ワハマン」(AstroArts/日本語)
☆「
シュヴァスマン-ヴァハマン第3周期彗星」(軌道と星図/日本語)
☆「
シュワスマン・ワハマン第3彗星 投稿画像ギャラリー」(AstroArts/日本語)
☆「
COMETA - 73/P SCHWASSMANN-WACHMANN 3 画像集」(AFAM/英語)
☆「
Hubble Provides Spectacular Detail of a Comet's Breakup」(ハッブル宇宙望遠鏡の画像/英語)
☆「
The Comet With a Broken Heart」(ヨーロッパ南天天文台の画像/英語)
- 2006/05/07(日) 16:01:37|
- 星空のこと☆彡
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